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都市型・狭小エコハウスのポイント

都市部の敷地では、郊外の余裕ある敷地に較べて日照や高さ規制に制約がある場合が多く、プランニングやデザインに工夫が必要になるケースが多くあります。


この記事では、こうした都市部の狭小な敷地においてエコハウスを計画する場合のポイントについて、ご説明したいと思います。



まず、主なポイントとして下記の3点が挙げられます。



1. 日照条件が悪いケースも多い為、日射取得、採光の工夫をする


2. 断熱財や設備機器によるスペースのロスについて配慮する


3. 上階と下階が緩やかにつながるようにして、採光・通風・換気に配慮する




上記3点の具体的な内容について、「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」を事例としながらそれぞれのポイントを解説します。





1. 日照条件が悪いケースも多い為、日射取得、採光の工夫をする


まず、都市部の敷地は周辺が建て込んでいるケースが多く、日照が多く得られる南面に開けた敷地でない場合も多くあります。

そのため、日射を取得する建築的な方法を色々と工夫する必要が出てきます。


例えば、ライトコート(光庭)と言われる中庭を設けたり、天窓や高窓を効果的に設けることで、暗くなりがちな1階にも十分な日射が得られるようにします。

また、上階から下階までを階段や吹き抜けを使って空間を緩やかにつなぐことも、日射の取得に有効な方法です。


「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」では、こうした方法を取り入れて、日射を室内に取り込めるように工夫しています。

この住宅は、基準階の床面積が40㎡程度の住宅ですが、ライトコートを中心に南側に設けた高窓(ハイサイドライト)や階段の吹き抜けを通して、日射が得られて家全体が明るくなるようにデザインしています。

南側は隣家に面しており、階段吹抜け部分にある高窓やライトコートを通して日射を確保しています。北側は斜線制限があるため、3階部分のボリュームは斜めに傾斜しています。


写真はリビングからライトコートと階段の吹き抜けを見たところ。

南側の窓からの陽射しが吹抜けやライトコートを介して室内に拡散していっています。






2. 断熱財や設備機器によるスペースのロスについて配慮する


都市部の比較的狭小な敷地では、限られた広さの中で住空間として有効なスペースをなるだけ多くつくることが重要になります。また、そうした敷地では高さに対する法規制が厳しい傾向にあり、平面、断面共にギリギリの寸法調整が必要になります。

一方、高気密工断熱仕様のエコハウスにおいては、十分な断熱の為に壁や天井の厚みを増やして必要な断熱材の厚みを確保したり、エアコンや換気に大型の設備や大掛かりな仕掛けを設けることが多く、その分住空間の有効スペースにしわ寄せが来るケースが出てきます。

つまり、限られたスペースの中で、住空間とエコ仕様の寸法的なバランスを確保するように配慮することが極めて重要となります。



「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」では、北側斜線や道路斜線といった高さの規制をクリアしながら、屋根や壁の断熱材の厚さを十分に確保し、空間を有効活用できるように計画しています。


短手方向の断面図。

斜線規制をギリギリでかわしながら、必要な厚さの断熱材を確保し、吹抜け等の空間的な余裕を確保しながらも、余白の空間を利用できるように工夫しています。







3. 上階から下階が断面的につながるようにする


都市住宅の場合、1階に日照が届かず薄暗く寒いスペースになりがちで、居住性や環境性能上階に較べて劣る場合が多くあります。そうした欠点を解消するために、階段や吹抜け、ライトコートを利用してそうした欠点を解消する方法を採用することが多くあります。

また、上下階を空間的につなげることで空気の対流が起こり、効果的な換気や通風ができるようになります。

「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」では、階段とライトコート(光庭)が上階から下階までの空間をつなげており、採光や通風を確保しています。


長手の断面図。

階段が上下階を動線的にも空間的にもつないでいます。その一方で、階段の上下の余剰の場所をトイレや収納に利用し、効率的に空間を使うように工夫しています。



中庭を見下ろしたところ。暗くなりがちな1階も明るく風の通る空間となっています。


1階から2階への階段を見たところ。

ハイサイドライトや中庭からの光が拡散して、明るい室内となっています。






以上、「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」を参照してポイントを解説しました。



これらは、エコハウスに限らず狭小敷地における都市住宅全般で留意すべきポイントとも言えます。

制約の多い条件の中でも、小さな工夫を重ねてゆくことで住環境をより快適で豊かなものにすることが出来ますが、そうした小さな努力を積み重ねて設計してゆくことがより重要といえます。






KHアーキテクツでは、都市型の狭小エコハウスも多く手掛けています。


もしご興味ございましたらお気軽にご連絡ください。




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