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都市型住宅の緑化

緑化とは、樹木や地被類といった植物を建物の敷地の中に取り入れることを一般的に意味します。

緑化は住宅の設計において必須のアイテムではありませんが、緑を入れることを前提に設計すると、緑化の効果により住宅全体に和みや潤いをもたらすことが出来ます。

また、地域によっては法令で緑化が義務づけられているところもあり、そうした地域では敷地の中で緑化スペースをつくる必要があります。


都市型住宅では緑が育ちやすいような土壌面の面積が限られるケースが多いため、緑をいかに有効に住宅の内外に取り込むかが、ひとつの課題となります。



この記事では、都市型住宅での緑化の方法について、事例を挙げながら解説したいと思います。



まず、ポイントとして下記のような点があります。



・敷地のスキマをうまく使う。

都市型住宅は敷地いっぱいに建つケースが多いので、敷地の余白が少ない傾向にありますが、ちょっとしたスキマはそれなりに出来てきます。そうしたスペースを上手く使うのがひとつのポイントになります。



・樹木の成長を見込み、余白を残しておく。

多くの樹木は、狭いスペースでもメンテナンスを正しく行えばキチンと成長します。最初は小さな苗木でも、数年で想定よりも大きく成長する可能性も十分にあるため、余白を残しておく方がベターと言えます。



・日陰に強い樹種を選定する。

都市型住宅では植物の生育環境として条件があまり良くない場所になることも十分にありえます。日当たりが悪いと樹木の生育も悪くなります。そのため、樹木を選定する際に、日陰に強いといわれる樹種を選定することが、大事なポイントになります。




また、注意点としては下記の点が挙げられます。



・メンテナンスを考慮して樹種や配置を検討する。

樹木は、想定以上に大きく育つケースもよくあります。そのため、成長をあらかじめ想定した上で樹種を選定し、余白を見込んだレイアウトを検討することが重要になります。




・道路や近隣に樹木が越境したり、落葉等で周辺に迷惑にならないようにする。

上記にも関連しますが、当初は小さな苗木であっても想定以上に成長することがあります。そうすると、道路や隣地に枝葉が越境するケースがよく見受けられます。剪定等のメンテナンスを定期的に行わないとすぐに荒れた状態になってしまうので、専門の庭師の方に依頼するか、自分自身で手入れ可能な範囲での植栽とするか、植栽の計画段階でよく考えておく必要があります。




ここからは具体的な事例をご紹介したいと思います。




「府中エコ・コートハウス」の中庭

府中エコ・コートハウス」では、ウッドデッキを敷いた4m角の中庭にプランターを3箇所に配置しています。建物が2階建てで建物高さが相対的に低い点と、西側壁面がオープンになっていて日照に問題が無い点から、中低木を各プランターの大きさに合わせて植えています。

庭師の方が定期的にメンテナンスに入る想定のため、全体的に大ぶりな樹木のある、伸びやかな緑化になっています。








「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」の中庭

阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」の中庭は日影に強いアオダモを中心に置いたシンプルなものです。2階のリビング・ダイニングからも緑を感じられるようにしています。フレーム状に切り取られた空と緑が、都会とは思えないような静かな雰囲気をつくっています。









「奥沢エコ・コートハウス」の前庭

奥沢エコ・コートハウス」の前庭は、ちょっとしたスキマを利用した庭園スペースになっています。

計画当初、このスペースには植栽を入れる予定は無かったのですが、竣工間際に急きょ植栽を入れる方向になりました。


自由が丘の造園屋さんが手掛けた植栽は、自然な風合いを重んじた植栽計画になっていて、建物に有機的な味わいとアクセントをつけています。








以上、都市住宅の緑化について、3軒の事例をご紹介しました。


都市住宅では大規模な緑化が難しい面もありますが、ちょっとした緑があるとそれだけで空間に潤いが出るように感じられます。



KHアーキテクツでは都市住宅の緑化も積極的にご提案しています。

もし興味がございましたら、お気軽にご相談ください。





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