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ハイサイドライト(高窓)の効果


ハイサイドライトとは、高窓とも呼ばれ、主に壁面の高所に設置される窓のことを一般的に意味します。


この記事では、このハイサイドライトのもたらす様々な効果について解説したいと思います。


ハイサイドライトに似た種類の窓にトップライトがありますが、トップライトは天井面に設置するもので「天窓」と言われます。

建築基準法の採光計算上では、天窓は明るさ3倍の係数を掛けることが出来ます。

天窓は、それだけ明るい自然光を獲得できるためですが、ハイサイドライトも同じように明るい自然光を獲得できます。


天窓の欠点は、防水上の弱点になりやすい点や、暖気の溜まり場になって結露を起こしやすい点がありますが、ハイサイドライトの場合は原則的に垂直な壁面に取り付けるので、そうした心配はほとんどありません。


また、ハイサイドライトは、取り付ける位置により開閉の操作がしにくくなりますが、高窓用のチェーンやハンドルにより簡単に操作できるように調整することもできるので、天窓に較べると操作しやすいといえます。



ハイサイドライトの最も大きな効果は、明るい拡散光をより簡単に室内に取り込むことが出来る点にあります。

先に述べた天窓同様に、高所からの光は部屋全体に拡散しやすいのと、取り付け位置によっては光源である窓が見えにくくなるので、間接光のような状態をつくることが出来、柔らかな印象の拡散光をつくることができます。



また、開閉できる仕様にした場合は、重力換気の排気口として通風・換気効果も期待できます。


ハイサイドライトの欠点のひとつは操作に工夫が必要な点とメンテナンス・清掃がやや難しい点にありますが、取り付け位置やサイズ、開閉方式等を十分に検討することでそうした欠点はある程度解消できます。



ハイサイドライトは、ひとつながりになった室内のどこか1箇所に設けるだけでも、採光・通風・換気において効果が得られると考えられますが、具体的な事例に基づいてそうした効果を解説したいと思います。





「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」では、階段吹抜けにある3階南壁面のハイサイドライトから、階下へと自然光が入るように計画しました。

このハイサイドライトは南側の壁面に設置されており、隣地建物よりも高い位置にあるため、太陽光を取り込みやすく、陽の光が入りにくい1、2階の室内に太陽光が効果的に入るようにしています。




建物の立体ダイアグラム。

南からの太陽光が、ハイサイドライトから室内に拡散するようにしています。

この住宅のハイサイドライトは、階段から手の届く高さに設置されているので、開閉や清掃も容易に出来るようになっています。





リビングでは、ハイサイドライトから入った自然光が拡散して、間接光のような柔らかな光をつくっています。

上階にある造作棚の背面に設けた、乳白色のポリカボネート板も行灯効果をつくって光を拡散させています。

ハイサイドライトの特長のひとつである、光源が見えないけれども、ほのかに明るい空間をつくり出しています。





以上、「阿佐ヶ谷ライト・エコハウス」を例にハイサイドライトの効果についてご紹介しました。

この住宅では、南からの自然光をハイサイドライトで効果的に室内に拡散している様子が、写真を通してご理解いただけるものと思います。



この事例のように、ハイサイドライトは、自然光や風の通り道となるような効果的な位置に設けることで、小さなサイズでも大きな効果を得ることが出来ます。





KHアーキテクツでは、自然光や通風に配慮したハイサイドライトのような、パッシブなデザインに配慮して住まいを設計しています。



もしご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。






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