住宅建設コストの動向(2022年上半期)



昨年の春くらいから、「ウッドショック」と言われる木材価格の高騰や資材の納期遅延といった問題が出ており、建設コストや工期に大きな影響が出ています。

ここでは「ウッドショック」の問題が顕在化してから一年あまりが経過した、2022年上半期の動向について、設計事務所としての経験や関係者様へのヒアリングをもとに、現況について箇条書きで概説したいと思います。




■昨年春のウッドショック以降、主に構造材に使われる木材の価格が高止まりしており、現在はややピークアウトしているものの、大幅な価格の下落は見られないようです。




■ウッドショック前の構造材は、坪単価5-6万円だったものが、ウッドショックのピーク時以降は坪単価11万円くらいで推移しています。

30坪の住宅だと100~200万円くらい上昇している感じになります。




■ウッドショックの増額分は、工務店が作成する工事見積には既に折込み済となっており、構造材のみであれば、着工後でウッドショックに起因する金額調整は無さそうです。

ただ、物価高騰や円安によりウッドショック以外の新たな不確定な要素が見られます。




■都内における設計事務所による木造の注文住宅ですと、以前は坪単価80~90万円(税込)くらいがスタートラインでしたが、坪単価100万円(税込)くらいがスタートラインになりつつあるようです。

約30坪の住宅で税込3000万円(税込)程度を予算として見込んでおくと良いと思われます。

また、ご予算の検討段階で、実現可能な規模を設計事務所等の専門家と正確に把握・調整しておく必要があります。




■ウッドショックの高騰現象は沈静化しつつあるものの、ロシアのウクライナ侵攻によりロシア産木材の流通が停止されたため、ロシア産の木材を原材料としていた合板等の木質系資材が高騰しています。

また、世界的な物価高、円安傾向を受けて住設機器や石油系が原材料の建材等でも値上げラッシュが続いているため、建設コストの高止まり傾向は今後もしばらく持続しそうです。




■半導体の供給不足による資材・機器の納期遅延についても、まだ継続している状況です。例えば給湯器は納期の遅延がまだ継続しています。

ただ、機種を選ばなければ在庫品等の代替製品で対応可能、というケースもあるようです。

またエアコンは猛暑という季節的な要因もあって納期遅れ、供給不足が続いていますが、資材や機器の種類により在庫・納期確認が必要な状況がしばらく続きそうです。




■鉄筋コンクリート造、鉄骨造についても、メタルショックと言われる鋼材の高騰化の影響を受けて、坪単価が高止まりしている傾向が続いています。

都内ですと坪単価130万円程度が最低ラインになりつつあるようです。




■オリンピック、コロナ禍、ウッドショック、ウクライナ侵攻、世界的インフレと円安、と特殊な価格上昇要因が立て続けに起こっており、先の見通しがつきにくい状況がここ数年続いています。

この先も不測の事態が起こり得る可能性があり、インフレ、円安傾向の継続が続くと考えると、建設コストの下落は考えにくい状況です。




■建設コストの上昇に起因する住宅価格全般の高騰により、今後に明らかな着工件数の減少が起こることで価格も下落する可能性はあります。

ただし、現在保留していてもローン金利の上昇の可能性も噂されていますので、トータルでみるとかえってコストがかかる事態もあり得ます。




以上、ランダムに今年上半期における住宅の建設コストに関する知見をまとめてみました。



ウッドショック関連の建設・不動産系の記事でよく指摘されていることですが、先行きがなんとも読めない社会情勢が続いている点と、一度上昇した物価・価格はなかなか下落しないという経済的な一般則がある点等を考慮すると、発注者様側のライフステージの変化や生活の中での必要性を見越してタイミングを判断するしかない、といえます。




何かと暗い話題の多いご時世が続いていますが、ご自身のライフプランに応じてタイミングを見極め、主体的に決断することがより重要ではないかと思われます。





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